一般的な戸建て住宅のトイレ設備では、大家族の住宅などでは個別に小便器が設置されているご家庭もあるかもしれませんが、基本的には大便器が設置されているかと思います。
トイレ設備は建築設備の中では「衛生器具」に分類される住宅設備です。
衛生器具には大便器・小便器の他、洗面台の洗面器、排水トラップ器具などがあります。
大便器の種類を大きく分類すると、和風便器と洋風便器に分類することが可能です。(跨ぐタイプの和式トイレという意味ではありません)
また、便器の排水トラップの構造や水洗方法、更にタンクの位置や有無などの違いや洗浄方式などによっても細かく種類を分類することが可能です。
建築関係の仕事をされている方は解るかもしれませんが、我が家の大便器の内部構造を把握している方はあまりいらっしゃらないかと思います。
大便器はデザイン性などの見た目だけでなく、小型サイズやタンクレスタイプ、更に節水タイプなど様々な製品が開発されております。
これらはトイレ販売メーカーのカタログを見ると確認できますが、ここでは、あまり注目されることのない代表的な大便器各種の特徴や構造、そして水洗方式について解説します。
【大便器の種類と構造】 | |||||
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和風便器 | |||||
洗い出し式 | 洗い落し式 | ||||
和風便器に使用される公衆では比較的多く採用されている大便器。便ばちの排泄物を勢いの強い水で排水トラップへ流し排水を行います。臭気の発生がしやすいというデメリットがあります。 |
排泄物を直接貯水部に落とし、水位を上昇させて落差を利用して排水を排出する便器。和風便器、洋風便器ともに使用されております。臭気などの問題には優れた効果を出しますが排泄物の着水時の跳ね返りがあるという衛生的なデメリットがあります。 | ||||
洋風便器 | |||||
サイホン式 | サイホンゼット式 | ||||
排水通路を満水にすることでサイホン作用を発生させる洋風便器。便器の水を吸い込むように排泄する為、臭気にも強く有能な便器として広く普及しております。 |
サイホン式よりもより強いサイホン作用を起こし排泄物を排出する洋風便器。流水面がどのタイプよりも高いため排泄物の付着が発生しにくいという大きなメリットがあります。 |