アイソレーターとは、地震が発生した際の建物の揺れを軽減するために建築物をゆっくりと移動させて地震エネルギーの働きを軽減させる免震装置の一つのことです。
アイソレーター及び後述するダンパーは免震構造材料に分類される建築設備となります。
地震大国と言われる日本では東日本大震災の発生以降、建築物の免震構造の更なる技術開発が求められるようになってきております。
免震構造とは、地震による振動エネルギーを地面の上に設置した免震装置が吸収し免震装置の上に建つ建築物の破損や倒壊を防止する役割があります。
尚、免震アイソレーターは大きく分類すると「積層ゴムアイソレーター」「すべり支承」「転がり支承」の3つの種類のアイソレーターに分類することが可能です。
免震積層ゴムアイソレーターはゴムと鋼板を交互に重ねた構造となっている免震装置です。
ゴムの柔らかい性質が地震エネルギーによる揺れを吸収し、積層ゴムアイソレーターが水平方向に揺れることで建物に加わる地震エネルギーを軽減させます。
また、ゴム層と交互に挟まれる鋼板は鋼板自体の硬さによって免震装置の上部に建てる建築物の重さを支え、かつ積層ゴムの揺れを早く停止させる役割を持っております。
転がり支承アイソレーターは、レールの上にベアリングを載せた構造の免震装置です。
レールは十字型や井型など建物の性質に合わせた配置を組むことが可能となっており、地震発生時にレールの上に設置されたベアリングが転がることで建物をへの地震エネルギーの影響を軽減させます。
積層ゴムアイソレーターなどと比較すると、大型建築物に設置するには不向きな構造であるため、木造住宅など比較的軽量の建築物に設置されます。
すべり支承アイソレーターは、柱の下に特殊なすべり材を基礎との間に挟み込んだ構造の免震装置です。
基礎の上に鋼板及びステンレスを積層し表面をPTFEを主成分とした表面処理を施し鋼板の上をすべらせることで地震エネルギーの働きを軽減させる役割があります。(※PTFE=四フッ化エチレン樹脂)
転がり支承アイソレーター同様に大型の建築物には不向きな構造であるため、こちらも木造の戸建住宅など重量の軽い小規模の建築物に多く採用されております。
免震ダンパーとは、アイソレーター同様に建物へ加わる地震エネルギーを軽減させる働きを持つ免震装置のひとつです。
免震アイソレーターは建物の基礎の上に位置し、建築物を支えながら地震の揺れを軽減させる免震装置ですが、ダンパーは揺れを軽減させる働きがありますが建築物の土台としての役割はありません。
免震装置としてのダンパーの主な種類としては「鋼材ダンパー」「オイルダンパー」そして「鉛ダンパー」などの種類があります。
ダンパーは免震アイソレーターとともに、併用され地震発生後から地震が止まった後もしばらく継続する免震アイソレーターの揺れを抑制する働きがダンパーにはあります。